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妊活お役立ちコラム

2024/04/12

おうち妊活

妊活中のビタミンDの効果!着床率が上がる、流産率が減少!



「妊活するためにビタミンDを取りたいが、ビタミンDってどんな栄養素?どのくらい必要かと不安になる」

「妊活にビタミンDが良いと聞くが、どんなサプリがいいのか変なものを買って終わないか怖い」

「ビタミンDが妊活に良いと聞き取っているが、どのくらい続けるべきかわからず困っている」

と実際に患者さまからいただいた質問です。



妊活では、様々な研究の結果により
ビタミンDが受精卵の着床や、卵子の成長に重要な役割があることがわかってきています。


この記事ではそんなビタミンDが妊活においてどう重要な栄養素なのかについてより詳しく解説しきます!

最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

    もくじ



ビタミンDとは

そもそもビタミンDとはどのようなものなのでしょうか。

ビタミンDは、D2からD7まで6種類あり、その中でもD2とD3が人の身体に特に必要なビタミンです。

食べ物などからカルシウムやリンを吸収し、骨を強くしてくれる働きがあります。


そのため、ビタミンDの摂取が足りなさすぎる場合は、
骨が軟化し病気を発症するおそれがあると言われているのです。

また最近では骨を強くするだけでなく、

  • ・ビタミンDを免疫力の強化やアレルギー症状の改善
  • ・インフルエンザの予防
  • ・メンタル症状の緩和

などにも良い効果が期待されている栄養素なのです。


ビタミンD不足と不妊の関係性について



ビタミンDが不足してるからと言って、不妊に関係してるのかな…
と疑問に思ったりしたことはありせんか?


ビタミンDの働きには、着床し胎盤が形成されるのを制御する役割があります。


ビタミンD の不足によって起こる影響について、

  • ・着床しにくくなり、胎盤の形成が不十分になる
  • ・体外受精の妊娠率低下、習慣性流産への関連、新生児の体重や妊娠期間、妊娠高血圧症候群といった妊娠合併症、新生児の発育障害のリスクが高くなる
  • ・子宮内膜症や排卵障害を起こす多嚢胞性卵巣(PCOS)の場合、血中ビタミンD濃度が低い
  • ・男性の精液所見の低下


などの報告があげられていました。


体外受精を行う場合、血中ビタミンDが高い人の方が足りない人と比較すると妊娠率が高いという報告もあります。


特に卵巣機能との関係では、マウスでの実験でビタミンDが不足してる場合、
卵胞発育の減少、卵巣の血管新生、子宮形成不全などが見られるとの研究報告もあります。


ビタミンDの不足があることで子宮が十分に準備できず不妊になるケースが考えられるのです。



ビタミンDが妊活にどのように関係しているか


実際に自身のビタミンD濃度がどのくらいか検査しないとわからないものではあります。

クリニックの中にはビタミンDの値を検査し、当院の患者様でも実際に不足が見つかった方もいます。



具体的にビタミンDが充実しているとどのように妊活に関係しており、またどの程度必要な栄養素なのでしょうか。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              


ビタミンD濃度が充実していると、

  • ・受精卵の着床率が上がる
  • ・流産率が減少
  • ・精子の運動率が上がる
  • ・妊活で大事な鉄の吸収や貯蔵を上げる
  • ・40歳以上の女性では、血中のビタミンD濃度が高いほどAMHが高い


などの報告が現在確認されています。



ある論文では、

522 人の女性のうち、257 人が研究中に妊娠しました。平均年齢は 33 歳、平均 25(OH)D は 36 ng/ml でした。25(OH)D が 10 ng/ml 増加するごとに、生殖能力が 10% 増加すると推定されました
(引用:Hum Reprod 2019; 34: 2163 doi: 10.1093/humrep/dez170

と報告されています。※1ng=0.001μg



この論文では、血中のビタミンD濃度が20ng/ml未満の女性(平均年齢33歳)では、30〜40ng/mlの女性と比較して生殖能力が45%減少。

ご妊娠までに6ケ月以上かかる確認として、



血中ビタミンD濃度

20ng/ml未満→51%

30~40ng/ml→28%

50ng/ml以上→15%



とビタミンD濃度が高い場合、ご妊娠が早いことがわかります。


さらに血中の25OHビタミンDの濃度が50ng/ml以上の方は、
30~40ng/mlの方と比べて妊娠率が1.35倍高かったと言うことが報告されています。



この報告からも着床、ご妊娠にはビタミンDも関係していることがわかると言えます。



妊活中の女性にとっての適切なビタミンDの摂取量

厚生労働省が出してる摂取基準では、18歳以上女性のビタミンD目安摂取量は「1日8.5㎍」、
上限は「1日100㎍」です。妊活中だけでなく、妊娠中また授乳期間も同量を目安としています。





(引用:厚生労働省 日本人の食事摂取基準 p178(2020年版))



妊娠中とビタミンD

妊娠中はどうでしょうか。

実は、ご妊娠中でもビタミンD欠乏による妊娠合併症として妊娠高血圧腎症、切迫早産、
および妊娠糖尿病との関連が報告されています。



お母さんのビタミンD欠乏症が胎児の骨格形成、
および出生後から児の長期間の成長に影響する可能性も言われています。



京都市内で2006年から2007年にかけての1年間に出生した新生児1120人を対象とした調査では、
全体の22%にビタミンD欠乏症を示唆する頭蓋ろうが認められました。


しかも発症には明らかな季節変動性が認められ、
胎児の骨量が増加する妊娠後期が太陽紫外光の弱い冬季であった4~5月出生児に、
特に頭蓋ろうの頻度が高いという結果が示されています。


着床後もビタミンDの摂取に意識を向けることも必要であることがわかります。


ビタミンDは卵子の成長や胎盤の形成にも関りがありますが、
ビタミンDは母乳に多く含まれるため、妊娠・授乳期やその後の思春期までの成長にも関係すると言われています。


そのため妊活中から授乳中までは特に摂取していきたい栄養素になります。


しかし、とりすぎる事で早産のリスクが高まることも報告されているため摂取量(上限は1日100㎍)を守ることも同時に必要です。


妊活におけるビタミンDの豊富な食材と効率的な摂取方法




どんな食材にビタミンDは入っているの?


ビンタミンDの中でもD2とD3が人の身体に特に必要なビタミンです。
ビタミンD2とD3は主にきのこ類や魚介類に多く含まれています。


脂溶性なので、脂質を含む動物性食品から摂取したほうが吸収されやすいのですが、
きのこ類でも炒め物や揚げ物にして油とともに摂取することで吸収率を上げることができます。


動物性の食材だと主にお魚に多く含まれます。
例えばカツオ、サケ、イワシ、ウナギ、サンマ、アジ、イクラ、しらす、あん肝 など




お肉や卵、乳製品でもビタミンDは多少含まれてますが、しっかり取っていく場合はお魚をおすすめしています。



植物性の食材だと、基本的にはきのこに多く含まれています。
椎茸、エノキ、舞茸、エリンギ など




参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)



また、生のキノコを日光に数時間当てるとビタミンDが上がると言われています。

干し椎茸に含まれているエルゴステロールという物質が紫外線の作用でビタミンDに変化するため、
干し椎茸でも日光に当てるとビタミンDが増え摂取量が上がります。


椎茸とビタミンDを研究した論文では、椎茸をお水で戻したり植物性の油で炒めたり揚げたりしても
得にビタミンDの量は変わりませんでしたが、茹でると茹で時間に伴ってビタミンDも半分近く減少したというデータもありました。



効率良く、尚且つ美味しく食べれてビタミンDを摂取していきたいですね。



日光浴の効果と注意点

ビタミンDは日光浴によって体内から生成することができます。
近年では、美容の観点からシミやシワ予防であまり紫外線を浴びない方が良いという考えが浸透してきているように感じます。

しかし、健康的で妊活にも必要なビタミンDを生成していくために日光浴は必要なのです。



かと言って、浴びれば浴びるほど良いというわけではありません。
紫外線を浴びすぎてしまうと細胞が傷つけられ、皮膚がんのリスクも高まります。



国立研究開発法人国立環境研究所で行った研究では、


厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2010年版)」が出している成人の1日のビタミンD摂取量の目安とされる、5.5ugのビタミンDを、すべて日光照射によって体内で生成させるとした場合に必要な日光照射時間を、放射伝達モデル(SMARTS2*11)を用いて計算して出しています。


5.5ugのビタミンDを生成するのに必要な、各地・各時刻での日光照射時間

 


(参照:国立研究開発法人国立環境研究所 HPより)


どのくらいの時間が良いのかなど、場所や季節によっても異なります。


国立環境研究所 地球環境研究センターが提供するビタミンD生成・紅斑紫外線量情報のサイトでは、
日光照射時間を教えてくれるのでおすすめです。



参考にしながらうまく日光を浴びる習慣が身につくとより良いですね。



サプリメントの選び方と摂取時の注意点



サプリでの選び方について、
患者様からもよく質問をいただきます。


ビタミンDの1日推奨摂取量を目安に考えていくと、サプリによって配合量が異なるため、選ぶときに確認が必要です。


人の身体に必要なビタミンD2とD3がありますが、
D3の方は、D2よりも2~3倍多くのビタミンDを貯蔵するという論文も出ているため、ビタミンD3を含んだものを選ぶ基準にするのも良いかと思います。


また、ビタミンDに限らずになりますが、増量剤、着色料、甘味料、香料、保存料などを含まないサプリメントをお勧めします。



ビタミンDは脂溶性であるため、摂取しすぎた分を排泄することができず、
カラダに蓄積してしまうリスクがあります。

それによる体への負担が可能性として考えられるため多く摂取しすぎないように注意が必要です。



また、摂取しすぎるとご妊娠後の早産のリスクも高まるので、
まずは日頃の日光浴の時間や摂取しやすい食材などから考えてサプリの含有量を確認する所から始めましょう。



ビタミンDと一緒に摂ると良い栄養素

ビタミンDだけ取ってたらいいの??と思ってしまうかもしれませんが、
実は相性の良い栄養素があります。


ビタミンDは、小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進します。


そのため、カルシウムと一緒に取ることでカルシウムの吸収率がアップし
骨が強くなったり、筋肉を動かしたり精神の安定にも繋がるのです。


農林水産省のHPあるカルシウムが多く取れる食品として、
牛乳、ヨーグルト、プロセスチーズ、小松菜、菜の花、水菜、切り干し大根、ひじき、桜エビ(素干し)、ししゃも、木綿豆腐、納豆、厚揚げ

などがあげられています。



ビタミンDを多く含む食材と一緒に取っていきましょう!


まとめ

これまでの内容にある通り、ビタミンDは妊活で着床、妊娠維持に必要なお身体に関係していることがわかります。

最近では、患者さんの中でもビタミンDを意識して重要視されている方も増えてきています。



実際に日常の中でどのくらい取り入れているのか、改めて意識してみるのも良いかもしれません。


また、栄養素などは肝臓に運ばれ、血液の中を通って全身に送られ主に小腸から吸収されます。

血流を良くして臓器の働きをを良くした状態を作ることもビタミンDの活性には大切なことです。



ビタミンDを意識し、妊娠しやすいお身体作りを目指しましょう!

この記事の著作者

鍼灸師 国際薬膳師 磯野 のぞみ

「東京漢方鍼医会」会員
より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。

この記事の著作者

院長 松本 敏樹

不妊カウンセリング学会 認定不妊カウンセラー
一般社団法人「日本生殖医学会」会員
妊活コーチ/妊活コーチング
東京漢方鍼医会 代表

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。
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